荻野屋 「峠の釜めし」
素焼きのふたを取れば、ほんのり立ち上る湯気と、山の幸、里の幸の香り。その下にはうっすらと色づいた炊き込みご飯…。
「峠の釜めし」は、昭和33年に発売して以来、今日にいたるまで永く親しまれ続けてきました。
かつて旅先で食べた「釜めし」を思い出し、わざわざ遠方から来られる方もあるほどの魅力の理由は、
厳選された食材と手作りの素朴さが調和した深い味わい、そしてそれを食べたときに甦る旅の思い出。
「おぎのや」は、かわらぬ味と、旅の無事を祈る真心を素焼きの釜に詰め込んで、皆さまの旅の思い出作りをお手伝いいたします。
愛され続ける理由
全てはホームでのお声かけから始まりました。
「何かご要望はありませんか。」今から約55年前、おぎのや会長である故・高見澤みねじは、
自らホームに立ち、旅行者ひとりひとりの駅弁へのご意見・想いを聞いて回りました。そこで、彼女はひとつの答えにたどりついたのです。
「あたたかくて、家庭的な楽しいお弁当が求められている」と。
お客様と向き合うその真摯な姿勢が、新たな駅弁開発のきっかけとなり、
1958年、益子焼の土釜に入った駅弁、「峠の釜めし」が誕生したのです。
駅を離れ、さらに広い世界へ。
より多くのお客様の、「おいしい」を聞きたくて。
1950年代、あたたかいまま食べられる「峠の釜めし」は、常識をくつがえす画期的な駅弁でした。
その後、雑誌「文藝春秋」に掲載され、爆発的に売れるようになりました。
さらに1962年、自動車旅行の増加にあわせて「峠の釜めし・ドライブイン(現荻野屋横川店)」を開設。
今でも各店にバスが到着・出発する際、深々とお辞儀をする目迎・目送が行われ、
店内で旅の疲れを癒すやすらぎと味わい深い思い出を提供しています。